10年近くトレーニング教室を運営する中で感じること。 子どもが成長する環境は、花や植物を育てる過程に似ている。 あたりまえだが、まず花を育てるには土が必要。 そして水や肥料をやって、陽が当たる場所に置いてやり、時には温度を調整してやることで、光合成をしながらしっかり幹を太くしていく。 これら工程を家庭環境に置き換えてみる。 土壌は「家庭環境」、水が親からの「愛情」、日光が「社会からの影響」。 特別な品種じゃない限り、水や栄養素をやらないと育ちが悪くなるし、逆に早く、大きく成長させようと、それらをやり過ぎると根腐れや肥料焼けを起こし、緑は元気に育たない。 陽が当たり過ぎても、土がカラカラに乾いてしまったり、葉焼けの原因となり、これまたうまく育たない。
一昔前と比べても、子どもを育てる環境が厳しい昨今、種に水をあげ過ぎる大人が増えているように思う。
愛情のかけ過ぎ、手の焼き過ぎにより子どもの成長が阻害され、いつまで経っても一人前に育たない子どもの姿を多く見てきた。
小学生の子どもに、まるで幼稚園の子のような接し方をする親も少なくない。
我が子がかわいいのはもちろん、だからこそ時には崖から突き落とすまではいかなくとも、せめて自分のことは自分でできるように黙って見守るのもこれまた愛情。
間違った方向に進もうとするものならば、がっぷり四つ向き合って、何度でも叱って正しい道に導くことも大事。
いつからか、周りに大人になりきれてない大人が増えてきた。
ワガママで、ルールを守ろうとしなかったり、すぐ不貞腐れた態度をとる、自分の要求を押し通そうとする…
すぐに泣いたり怒ったり、感情の起伏が激しい人も大人になれていない証拠。
ニュースを見ても、犯罪を犯すタイプは、ほぼこれら性格が当てはまる。
その多くが親に過保護に育てられ、家庭での躾けを受けずに社会に出たことが原因なのだろう。
昔から「子供は社会の預かりもの」とよく耳にしてきた。
若い頃はピンと来なかったけど、今になってこの言葉の重みが身に染みる。いずれ社会に出る子どもたち、しっかりコミュニケーションがとれるように、そしてここ一番って時には、自らが決断し行動を起こし、そして自らのケツを拭くような、自立した子どもに育てることこそが、大人の責任。
その一人一人が社会を成し、そしてまた自分たちが育ったように、次の世代を導く存在になっていくから…
あらためて大きな愛情を持って、子どもたち一人一人と接していこうという備忘録としてこれを留め、もっともらしく説いてみた…
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