生き残り型
- hyonoryan
- 2022年3月22日
- 読了時間: 3分
過去いろんな選手を見てきた経験から、ちょっとした持論がある。 まだ成長途中の選手たちの中でも、とかく”目立つ”選手がもてはやされ、そんな選手にばかりチャンスは訪れがち。 周囲と比べて明らかにボールテクニックに長けている選手や、背や体が大きい選手などがそう。 個人的に、前者を「技巧型」後者を「早熟型」と呼んでいる。 「早熟型」と呼ぶのは、ほとんどの場合、高校生ぐらいでガタイはまわりと変わらなくなるから。 実際にトレセンなどの育成制度や、Jリーグ下部チームセレクションなどでは、そういった選手が選ばれる傾向も少なくない。 サッカーに限らず、コンタクトプレーのある競技ではフィジカルの差がアドバンテージになるからそれも、まぁ仕方ないのだろう。 でも「技巧型」、「早熟型」の選手たち、ツラいトレーニングになると、結構な確率で途中でサボりがち。(これ、サッカーあるある。) かたや、チームの中で「技巧型」、「早熟型」の選手たちに次ぐポジション(ここでは立ち位置の意味)にいる選手たちがいる。 彼らは、なんとかレギュラーには選ばれるけど、トレセンや各種セレクションでは、紙一重で選ばれたり、悔しい思いをしたりと、なかなか一筋縄じゃいかない。 でも「技巧型」、「早熟型」の選手に勝つため、人一倍努力するから、彼らのことを「生き残り型」と呼んでいる。 ちなみに日本代表選手のほとんどが「生き残り型」。 一見「技巧型」や、「早熟型」がさらに成長を遂げた「フィジカル型」に見える選手もいるが、突き詰めると「生き残り型」。 とはいえ、彼らが自ら進んでトレーニングを継続するかといえば、必ずしもそうではない。 悔しい、負けたくない思いはあれど、思春期の子どもたち、日々生活に流されてしまうから… だから彼らのことを常に気にかけ見てあげて、そしてそのことをさりげなく本人に伝えるようにする。 「前よりできるようになったじゃん」「体硬くなった?最近サボってるだろ」「ちゃんと家でもやってるな!」… 例え一挙一動見ていなくても、見ている感を演出することも大事。 (指導者、保護者にとっても大切なテクニカルな部分。) 言われたこと、自らやるべきことを考え、トレーニングを徹底的に繰り返す、いい意味で競技「バカ」は、こうして育つ。 個人的には、そんな選手にポテンシャルを感じるし、そんな選手だけを集め指導したいと思ってしまう。 (決して指導が楽だからってことではないです…) そんな悔しい思いをして、もうひとチャンスで一皮むけるかも…という「生き残り型」の選手こそ、将来的にチームにいい影響を与え、世の中を変えるほどの力があるはずだと、たかだか3人の息子を育てたぐらいで、もっともらしく語ってみた。

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