ありがたいことに、おかげさまで対面での育成年代トレーニング教室も、10年を迎えようとしている。 創業当時、たまたま教室の前を通りかかり、興味を持ってもらった小学生の女の子一人からスタートした体幹トレーニング教室… 教室の売りとして「体幹バランストレーニング」をアピールしていたが、とは言え、筋トレではなく、正しい姿勢の意識や、体のコントロール能力を養うということを、前職の営業で培ったトークで丁寧に説明し続けてきた。 スタートアップということで、ほぼパーソナルトレーニング状態だったことも良かったのだろう、その小学生は週2コースで通ってもらえた。 当時まだピカピカのマットや鉄棒などを駆使し、必死にサポートしたが、今思い出してみても、オープンしたての教室に、よく入会してくれたもんだと不思議に思う。 今でも体験にくる子どもと接するときは、その時のことを忘れないようにしている。 つい先日のお盆前の週にも、小学生が体験にきてくれた。 見るからに、お父さんに連れてこられた感が強そうに見えた小学生だが、動作がなかなかうまく出来ずに戸惑う場面も少なくなかった… (これは当然で、うちの教室では3週間ごとにテーマを決め、事前に予習用動画を送り、教室で2週間トレーニングをして3週目に小テストをする、という流れを組んでいる。 テストでは動画を撮影し、フィードバックと共に保護者に送っている。) しかもその時の動作が、ラグビー日本代表も取り入れたという「アニマルムーブ」というメソッド。 いわゆる動物のごとき動作で、普段使わない背中などのストレッチ要素や、股関節の可動域を広げる動きなど、野生的な動きが中心のもの。 いや、それでも諦めることなく最後までチャレンジし続けたでけで立派! その後、できれば家でやってみてくださいと、お盆休み明けに行う予習用動画を送ったのだ。 (初めてにしては、ちょっとムズかったかな…) というのが素直な印象だった。 そして迎えた2週目のトレーニング日。 お父さんとやってきたその小学生、しかし明らかに顔色が違うのがわかる。 「よう、久しぶり!今日(やるトレーニング)の動画見てきた?」 すると、 「うん、見てやってみた」 しかし明らかに前回とは違う、自信に溢れた様子が。 「前のより難しくなかった?どれが難しかった?」 矢継ぎ早の質問にも、 「そんなに難しくなかった!」と。 とは言え、半ば眉つばで聞いていた。 他の子たちも集まり、あらためてポイントを説明し、みんなの動きを確認したところ………な、な、なんと上手にできてるじゃん! しかも、他の子たちがつまづくような、難易度の高い動きもほぼほぼできてんじゃん! そりゃー自信満々の表情になるわけだ。 いや、逆にゴメン!まさかここまで仕上げてくるとは思ってなかった… ちょっと自己嫌悪。 いい意味で期待を裏切られたうれしさより、あまり期待をしていなかった自分自身を深く反省。 教室が終わった後お父さんに話を聞くと、2週間あった休みの間に、前回うまくできなかった動作も含め、一緒に何度もやり続けたとのこと。 (あーこれじゃん!) というのも、教室を始め一番理想にしていた形が、トレーニングを通じて親子が一緒にトレーニングしたり、コミュニケーションを深めることで、いろんな思いが共有されること。 どこを目指しているのか、そのためにやるべきことは何なのか… 実際に、トップアスリートの多くで、親と子の間でこういったことを繰り返し確認していたという共通点があったから。 なのでそれ目的で、保護者のための体験会を催したこともあったし、見学に来た保護者にトレーニングに参加してもらったこともあった。 (子どもたちの後ろで、普段着のままの親が一緒にトレーニングする、ちょっと不思議な光景だったが…) この体験に来た小学生は、ちょっとした成功体験から、新たなプラススパイラルを起こす可能性が生まれたのだ。 成功体験の積み重ねが、子どもを段階的に成長させるのだが、とは言え、それは決して大それたものである必要はなく、こんな小さなものでも充分。 「この一歩は小さいが、人類にとっては偉大な一歩である」 ちょうど僕が生まれた年に、人類で初めて月に降り立ったアームストロング船長の有名な言葉だが、この子にとってもその小さな一歩が、人生を大きく左右するかもしれない。 彼にそんなきっかけを与えたお父さんは、ほんと素晴らしい、尊敬に値すると、そこにあまり絡んでいないながら、感じたことをもっともらしく語ってみた。
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